情けは人のためならず

救いようがない。
そんな人に出逢う時がある。

頑張れなんて、声をかけられない。
そんな人に出逢う時がある。

人生の不運が、集まっている。
そんな人に出逢う時がある。

そんな人に出逢ったから、
自分の無力さを感じたんだ。
自分の能天気さを感じたんだ。

そして人生の意味について、
幸福とは何かについて、
あらためて考えはじめたんだ。

17年の年月が経ち、
あの時のあの人から、便りが届く。

「人生で今が一番幸せ」
「人生は語る言葉で変わる」

一瞬で理解できたことがある。

あの時、救いようがなかったのは、
あの人でなく、自分自身だったんだ。

あの時、声をかけられないくらい
傷ついていたのは、あの人でなく、
他ならぬ自分のことだったんだ。

そして、不運を嘆き、人生に失望し、
一歩も動けなくなっていたのは、
あの人でなく、自分自身のことだったんだ。

つまり、あの頃の自分から、
便りがきたってことである。

あの時の苦悩は、
言葉では語り尽くせないモノがある。
人生に対する恐怖感と大きな不安感で
心が支配されていた。

でも、自分のことはさておき、
目の前で震えている。
そんなあの人を懸命に救おうとしていた。
そんな自分の姿を思い出したんだ。

あの時あの人を救おうとした
アイディアの数々は、
あの人のためには使えなかった。

でも、その後、自分自身や、
自分の家族を救うため、整えるため、
繋げるために、大いに役立ったんだ。

「今が人生で一番幸せ」とは、
あの人の言葉であるとともに、
今の自分の言葉である。

「情けは人のためならず」とは、
真実である。
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